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スローガン 『共に喜び、共に感動』 

まち

〜 想いが拡がる地域を目指して 〜




2008年度 伊勢原青年会議所
第31代理事長 鈴木 康弘

 ≪基本方針≫
   ・新中期ビジョンの発信と推進
   30周年記念式典および記念事業の遂行
   ・市民参加型まちづくり運動の展開 
  ・想いを拡げる人づくりと組織づくり

● はじめに

戦後の高度経済成長期、「世界に追いつけ追い越せ」といった言葉に象徴された国民の豊かさや成長への強い想いは、荒廃した日本を復興させた原動力であったと思います。東京オリンピックでの日本選手の活躍や、大阪万博で世界に肩をならべ日本の科学技術の進歩を披露したことは、「世界に追いつけ追い越せ」を実現していく喜びと感動を国民全体が共有し、さらなる日本の成長発展に向け夢や希望が拡がった時代であったと思います。

平成の時代となり20年が経とうとしている今、経済のバブル崩壊後「失われた10年」と言われた長引く不況もありましたが、昨年には景気拡大期間が「いざなぎ景気」を超え戦後最長となりました。IT技術は目覚しい速さで進歩し続け、交通網や情報網といったインフラも全国的に整備された大変便利な世の中になっているのは間違いありません。戦後の高度経済成長期の国民が目指したような平和な世の中で、経済的に豊かで、行きたい学校にも行け、好きなことが自由にできる時代ではありますが、国民はその喜びや感動を共有し将来への夢や希望は拡がっているでしょうか?私には、今の日本社会では将来に対する不安や危機感が年々増してきているように感じます。

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● 明るい豊かな社会への想い

企業による悪質とも言える法令違反行為に窺う社会的倫理観の欠如、深刻化するいじめ問題や少年犯罪の背景にある子どもたちが育つ環境の変化、歯止めのかからない地球環境の悪化、これらは、私たちが大切にすべきことを見失っていた為に表面化してきた問題だと考えます。経済的豊かさを追い続けた結果、他人を思いやる、家族や地域を大事にする、郷土の自然や環境を守るといった、世の中になくてはならない人々の想いが薄らぎ、また昨今の個性の重視や自由の追求といった考え方への偏重は「自分さえよければよい」といった無責任な価値観を生み出してきていると考えます。

私たち青年会議所は、いつの時代においても「明るい豊かな社会」への想いをもって活動しています。そして、全ての人々の心の中にもお互いが信頼しあえる社会への想い、子どもたちが明るく育つ未来への想い、故郷や自然を大切にする想いがきっとあるはずです。私たちの想いを拡げ、人々の想いが拡がる地域を目指すことが、喜びや感動に溢れる明るい豊かな社会につながると考えます。私たちには、社会環境が
変化し価値観が多様化していく中でも、子どもたちが夢を描き、若者が未来を信じることができる社会を築いていく責任があると考えます。


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● 地域への想い

 急激な少子高齢化による人口減少の時代を迎え、明治以来の大きな改革となった市町村合併、いわゆる「平成の大合併」により平成163月末に3,132あった全国の市町村数は平成193月末には1,804となり、この3年間で大規模な再編が行われました。「国から地方へ」といった分権化の動きと共に地方自治のあり方が問われ、地域における多様な価値観や個性に適した豊かさの実現が求められ、地域の自立が迫られてきています。

そのような中、昨年行われた統一地方選挙においては、全国各地で青年会議所主催による公開討論会が開催され、「自分たちのまちは、自分たちでつくる」といった合言葉が全国各地で叫ばれ、市民の政治意識の向上と市民参加型社会の構築にむけた運動が展開されました。伊勢原青年会議所もこれまでに公平中立な立場で公開討論会を積極的に開催し、市民の政治に対する参加意識の高揚に努めてきました。今後も、市民に支持された政策によって選ばれた代表者が政治を担う社会の大切さを発信し、より多くの市民が地域に必要とされる代表者を正しく判断できる公開討論会に向けて取り組んでいきます。

また、近年では市民参加型社会へ向けた運動の一つとして、無作為抽出の市民を募り地域の問題・課題を話し合い、その声を行政や議会に反映させる「市民討議会」が各地で行われるようになりました。自分たちがどんなまちに住みたいのか、自分たちの地域では何を大切に育てたいのか、将来の子どもたちのために何を残すかといったことを、地域の人々が主体的に考え、その想いを拡げていくことが自立した地域づくりには必要と考えます。伊勢原青年会議所でも昨年より検討を始めた「市民討議会」をこれからの市民参加型まちづくりに向けた有効な手法の一つと捉え、市民のニーズの把握や行政との連携を深め、その実現に向けた取り組みを進めていきます。

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● 子どもたちへの想い

平成1812月、教育再生の声が叫ばれる中、約60年ぶりに教育基本法の改正が行なわれました。日々、子どもたちを取り巻く環境で起きている問題に対して、家庭、学校、地域など、社会全体が協力して教育改革に取り組むことが求められています。その中でも、教育の目標として新たに規定された「公共の精神の尊重」、「伝統の継承」、「新しい文化の創造」などは、これまでに青年会議所がまちづくり、ひとづくり運動の一環として実践してきたことであり、我々の活動が社会的責任を担っているということを改めて意識する必要があると考えます。

 また、地域社会において、家庭、学校、地域の三者がそれぞれの役割と責任を自覚し、協力し合うことが求められています。伊勢原青年会議所でも、子どもたちが伊勢原の伝統、文化、自然を学び体験できる事業をこれまでに数多く行なってきました。最近では、伊勢原の伝統工芸品の一つである大山独楽を用いた「いせはら独楽チャンピオンシップ小学校対抗選手権大会」が家庭、学校、地域による三位一体の連携によって地域共育を目指した継続事業として4年目を迎えております。今後、より多くの市民が関りを持てるような地域に開かれた事業へと展開し、子どもと大人が共に喜び、地域に子どもたちへの想いが拡がるような環境づくりに関わっていきたいと考えます。

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● 人づくり、組織づくりへの想い

「桃李不言下自成蹊」(桃李ものいわざれども、下おのずから蹊を成す)。これは、司馬遷が『李将軍列伝』(史記)の中で李廣の人物を称えるために引用した諺で、桃や李(すもも)は何も言わないけれど、美しい花や良い香りで人を導き、その下には、自然と人がやってきて蹊(小道)ができるものだ。同じように、人格や徳のある人には、その徳を慕って自然と人が集まってくるのだ」ということです。

我々青年会議所メンバーは、明るい豊かな社会を目指す者として、多くの人々から慕われ、信頼される青年となることが求められています。まず我々自らが、社会人として責任ある行動を示せるようにならなければ成りません。そして市民と共に地域を創り上げるために活動する団体として、率先して自らを変える勇気と実行力を持つ青年の集まる組織とならなければなりません。明日の伊勢原を担う人材育成も含めた人づくりを行う団体として「奉仕・修練・友情」の三信条を今一度見つめ直し、メンバーが自己研鑽に真摯に取り組む姿勢が必要と考えます。

社会の様々な場面で意識変革が求められる今、企業や地域のリーダーとして、人の心を動かし、まちを動かすために、自ら変化を仕掛け、変化を創りだせるような変革型リーダーが必要と考えます。社会環境が大きく急速に変化する中で必要とされるリーダーとしての資質をそれぞれの立場で考え、身に付けることを目的とした人づくり研修を進めていきます。

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● 社会貢献への想い

公益のすべてを官が担う社会から民がその一部を担う社会への移行が進められる時代を迎え、NPO団体等による非営利活動が拡大していく中で、公益法人制度改革が行なわれ、公益法人を評価するシステムが運用されます。企業が本物しか生き残れない時代となったように、青年会議所も存在価値が問われ、その真価、本質を追求した活動が求められてくると考えます。

我々が社会に貢献する公益性のある団体として活動していくためには、会員相互の活動から、地域の人々を巻き込んだ活動、地域に影響を与える事ができる活動をしていかなければなりません。福澤諭吉が明治維新後の日本人の精神革命の必要性を説いた著書『文明論之概略』では、「衆論は必ずしも人の数に由らず、智力の分量に由りて強弱ありのことなり」と論じ、少数でも良い知恵や考えを持つ集団は、多くの人々を動かす事ができると論じています。人と社会の意識変革を目指し、公益性のある活動により、社会に一石を投じられる団体となるためには、我々も幅広い知識と教養を身に付けると共に、常に問題意識を持ち、より深い議論を行なっていく必要があると考えます。そして、いつの時代においても地域に必要とされる団体となるために、良き意図や知識を成果ある行動に転化できる智徳ある集団に向け組織進化を続けていきます。

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● 30周年への想い

伊勢原青年会議所は、昭和53年、全国646番目の青年会議所として誕生しました。その後、先輩方の高い志と情熱をもった取り組みにより、30年間、今日に至るまで「明るい豊かな社会」を理想に掲げ、青年としての英知と勇気と情熱をもった「まちづくり、ひとづくり」運動が実践され、伊勢原青年会議所の歴史と伝統が培われてきました。

25周年の折に策定した中期ビジョン『いせはらオアシス計画』では、4つのアクションプランを活動の柱とし、地域共育運動の展開や、市民参加型のまちづくり運動を実践してきました。昨年には『いせはらオアシス計画』5ヵ年の検証と共に、伊勢原青年会議所の存在価値を再度確認し、将来の運動の可能性を検討して今後の運動指針となる新中期ビジョンを策定しました。30年の節目の年を迎え、この新中期ビジョンを我々の想いとして発信し、次代へ向けた新たな運動を推進していきます。

今、我々は歴史を築いてきた先輩方に感謝をすると共に、これからその志を引き継いでいく責任ある者としての覚悟を持たなければなりません。「義を見てせざるは勇なきなり」正しいと思ったことに正視し、風圧にたえ、主張し、行動していくことを我々の使命と考えます。伊勢原青年会議所設立趣意書に記された「この郷土伊勢原を愛し、将来に大きな夢と希望をもった青年の集いにしたい」といった設立の想いをいつまでも忘れずに、そして伊勢原青年会議所30周年にあたり、喜びと感動を共有できるような事業を通じ、我々の想いを地域に拡げていきます。

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● 終わりに

「最近感動したことは何ですか?」ある人に問われ、躊躇した時がありました。小さな喜びや感動は、毎日の生活にきっとあったはずですが、忙しさに囚われて見失っていたのかもしれません。振り返れば、喜びや感動のない毎日には、何かに対する「想い」も生まれていなかったと思います。

青年会議所には、喜びと感動を共にできる多くの仲間がいます。メンバー一人ひとりが個性的で、自分にない魅力の持ち主であるからこそ、青年会議所活動を通じた「共感」は、変革のエネルギーとなり、強い「想い」となって人々の心を動かし、やがては社会を変えていくのだと思います。

この青年会議所という無限なる可能性を持つ団体において、理事長という機会を与えて頂いたことに感謝すると共に、私たちが暮らす伊勢原を想いが拡がる地域とするために、そして、伊勢原青年会議所のメンバー全てが共に喜び、共に感動できる一年となるように、精一杯努力してまいります。

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はじめに 明るい豊かな社会への想い 地域への想い 子どもたちへの想い
人づくり組織づくりへの想い 社会貢献への想い 30周年への想い 終わりに


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